宝玉少年と従妹の黛玉が、花吹雪をあびながら、小説に読みふけっています。
仲の良い二人が、将来このままゴールインするかと思いきや……

宝玉の母方の従姉の宝釵は、雪のように色白で、ふっくらした美少女。宝玉のお似合いの相手だと、もっぱらの評判です。服のえりの中には、いわく付きの金の首飾り。宝玉が生まれつき持っている玉と、ペアになっているとか…。

黛玉は、病弱で神経質なので、女中の紫鵑はなかなか大変です。毎日、漢方薬を煎じて飲ませてあげたり、宝玉とケンカするたびに、落ちこむ黛玉をなぐさめたり、いさめたり……。

宝玉の腹違いの妹の探春は、年こそ若くても、いったん家事をまかされると、みごとに切り回してみせます。古顔の家政婦が仕掛けたワナに、「ちょっと待って！」と声をかけて、きびしく問いただす場面です。
髪型は当時の流行スタイルの一つですが、探春にはイマイチ似合わなかったようですね。

若奥様の鳳姐（ほうしゃ）につかえる平児は、鳳姐とちがって下の者にも思いやりがあるので、人望があります。誕生日には多くの人が祝ってくれて、答礼として、しきりに小腰をかがめるあいさつをしています。

大観園に雪が積もると、園内に住む宝玉とお嬢さんたちは、暖かい服を着て、遊びます。宝釵の従妹の宝琴は、とびきりの美少女という設定。人形を作るほうには、たいへん迷惑です（笑）。赤いラシャの裏には、高価な白リスの毛皮。マントもフードも、とても暖かそうです。

親戚の史湘雲は、お茶目で活発なお嬢様。男に生まれなかったのを残念がったり、たまに男装をしたり…。湘雲がいつも下げている金のアクセサリーは、宝玉が持っている玉に対応する、運命のアイテムかも…？

賈（か）家のお嬢様の一人、迎春は、いたっておとなしい性格。詩はあまり得意ではなさそう。詩会の合間に、水辺の草の上にすわり、ジャスミンの花を糸に通して、髪飾りをつくったりしている。