紅楼夢組曲 序曲

 第5回の夢の中で、天上界へ行った主人公宝玉ほうぎょく少年。人間界の女性たちのそれぞれの人生を歌った歌曲を12編、序曲と終曲をあわせて、合計14曲をかされます。それらがすべて、自分の身近な女性たちの運命をうたったものとも気づかずに…。
 まずは、序曲から。

    人の世の初めより 伝わりし
    深き心ある
    十二釵じゅうにさ
    静かな夕べ なれを思い
    歌に作りたる この紅楼夢

 三行目の「十二」というのは、12人の女性ということです。「」はかんざしのことで、かんざしを差す人、つまり女性のことです。金陵きんりょう本籍ほんせきのある12人が、「金陵きんりょう十二」と呼ばれる、この小説のヒロインたちなのですが、実は12人が3組あって、合計36人にのぼります。